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美雷 [Multirole fighter,Including Low altitude Attack and Intercept]
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Jウイング7月号(イカロス出版)より、F-3「MILAI」です。
次期主力戦闘機を自国開発したら?というスタディー。名前は「未来の飛行機だから...」というシャレですが、和風の語感だけでなくちゃんと意味のあるものが良いと思い英語表記も考えました。こういうの好きなんです(笑/JAXAのHALCAとか)。機体の説明は誌面に書いた通りなので、ここではもう少しデザイン寄りの話を。
 まず最初に、スタディーとはいえどこまでやるかですが、これは「次期」という縛りがあるので、出発点は防衛省の「心神」をベースに考えました。単座、双発、3次元スラストベクター、ステルス性能などが要求される内容です。まず全体のプロポーションですが、心神のエアインテークからファンブレードまで、この辺りはステルス性能の為だと思いますが、流路をねじ曲げた形状が前傾姿勢で中々カッコイイので踏襲しました。更に主翼面積を大型化、その際にもインテーク上面の衝撃波発生板、主翼、尾翼の角度を揃えてステルス性能に配慮しています。(本当のところは分かりませんが...)
機体制御技術も進歩している訳ですし、SFでお約束の尾翼が沢山というのは抵抗が増すだけなのでナシです。今回はスラストベクターが前提なのでむしろ尾翼は小さくしています。F-15の後継という事で双発ですが、実は単発で良いのではないか、という考えも非常に魅力的でした。当然双発なら相応の燃料も喰う訳ですし、そこは日本人らしくクレバーな飛行機を造ったほうが良いのでしょうね。F-2も単発ですし、機会があったらそちらのデザインも発表したいと思います。
 でも正直なところ、気持ちとしては色々と揉めた末にF-35導入されたら嫌だなーというのが一番大きかったです(笑)。もちろん専守防衛の日本で運用しても、間違いなく性能は一級品でしょう。ただロシアが売りまくったスホーイシリーズ飛んで来たらあの形でホントに勝てるのかなと心配になってしまうのは、モノの形を生業にしている者の悪い癖なのでしょうか?
F-3という機体、人それぞれに思うところはあるでしょう。自国開発という響きの中には驚くほどの困難が待ち受けているのも事実です。今回はまず話のネタに、という事で富士山を背景に大見得を切って描いてみましたが、将来の日本の空をどうするのか、何らかの問題提起になればと思っています。

因に、今回誌面用に引いた図面を切り抜いて紙飛行機にすると、驚くほど良く飛びます。戦闘機としてはこんなに安定していて良いの?と思ってしまう程ですが、まあ飛ばないよりは良いでしょう。 という事は、スラストベクターとフライバイライト技術はバランスを壊す為に必用、という事になるのかもしれません。
by koike_terumasa | 2009-05-21 17:11 | 飛行機
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