「暁の鎮魂歌」(子竜螢 著)カバーより楔艇疾走之図。本文中に一列の横隊で出撃する場面があるのでそのイメージでのカット。 山育ちだからと言う訳ではありませんが、海の絵、初めてです。それだけでなく船の絵、デザイン共に初挑戦。この「楔艇」という船は架空の兵器ですが、使われている主砲や部品類は既存の物を流用というお手軽設計。ただコレは物造りの話ならお手軽ですが、絵を描くとなると既存の、第二次大戦当時の資料とにらめっことなる訳で、決して楽な作業ではありません。むしろ自由に線を引いてしまったほうがこれまでの職業柄楽な訳ですね。 ただしこれも他のデザインと一緒、調べる事の出来るものは調べないとやはり歴史的に、不勉強なラインになったりする部分が出てくる訳で、船の事は即席ですが随分勉強しました。その上で構造のバランスを見てレイアウトをするのですが、こういう作業をしていると不思議とその時代のエンジニアリングで線が引ける事に気付きます。 考えてみればデザインという作業も、まだ見ぬ未来の住人になってその世界の生活や製品を絵にする訳ですから、その立ち位置が過去になったとしても、その時代の住人になって線を引くという行為に変わりは無い訳です。 本来の歴史から外れた「If...」の世界で、ちょっとだけストーリーに登場する天才技師の気分になれた、そんなお仕事でした。
by koike_terumasa
| 2007-07-04 19:57
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小池輝政
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