カテゴリ:飛行機( 18 )
ATD-X「心神」飛翔図
f0110045_10535756.jpg
「丸」1月別冊「心神vs F-35」より、心神の飛行イメージです。本見開きを含むイメージ画、カラー図面など数点を描かせて頂きました。
公開されているモデルと大きく変わっているのはキャビン廻りのみ、三菱F-1からの流用品を改めF-22相当の一体整形キャノピーを載せました。これに伴い機首まわりは大分スッキリしています。今回はスラストベクターによるロールの瞬間を描いたので、推力変更ノズルと連動して水平尾翼が可動、減圧した主翼上に雲が発生しています。

この心神という機体、公開された当時既に原寸大のモデルが存在して、「エンジンは今やってます」、「レーダーも日本のお家芸の画期的なものです」という説明だったので、それを見た多くの人がすぐに日本もステルス戦闘機を自国開発できるのかと夢を見てしまった部分が大きかったような気がします。
実際に現代の飛行機の開発がそう簡単なもので無い事は、米国F-22やF-35の開発を見れば分かると思いますが、その上で、日本の航空技術をどう育てるのかを、悲観的にならずに考える事が必要でしょう。「はやぶさ」に代表される航空宇宙の技術は、10年後の飯の種を育てる事に他ならないのですから、今は苦しくとも根絶やしにしてはいけないのだと思います。国の安全にかかわる重要な技術に、「2番は無い」という事も、知っておいてほしいですね。
[PR]
by koike_terumasa | 2011-12-17 11:35 | 飛行機
F-35A洋上迷彩図
f0110045_154048.jpg
イカロス出版より発売中の『世界の名機シリーズ』F-35ライトニング2より、F-35A航空自衛隊洋上迷彩図です。
松島湾上空を飛行するF-35Aを描きました。以前描いたものの再使用ですが、これを描いた時には松島基地が被災するなど思ってもみませんでした。現地での被害には心が痛むばかりですが、ニュースで泥を被ったF-2を見た時には、飛行機好きとしてまた別の悲しい感情が襲って来たのを覚えています。

さて、この洋上迷彩図、F-Xの記事に使用されているのですが、実際のところどうなんでしょうね。正直好きになれないんですよ、高いし、機密多そうだし。少なくともF-4の補完分はF-2増産という事で手打ちになる事を祈っていたりします。
ところで世間では中国の空母がニュースになっていますが、こちらも負けずに海上自衛隊DDHのプラモデルに日の丸のF-35がオマケで付いていたり(笑)、日本の軽空母運用妄想満載なのですが、これも矢張り頂けないなと思うのです。そもそも空母は飛行機の足を延ばす為に生まれた訳ですから、専守防衛の日本では純粋に飛行機の航続距離を延ばす算段をすれば良い訳で、ひゅうが型のDDHに足の短いF-35のB型を載せて運用するのは本末転倒というものでしょう。金食い虫の空母に中国が手を出した事に、アメリカはしめしめと思ってるんじゃないでしょうか。日本はそんな東西冷戦みたいな経済競争に乗っかる訳に行かないし、ここはクレバー戦術と飛行機を選択してもらいたいものです。
[PR]
by koike_terumasa | 2011-10-06 02:43 | 飛行機
守ルニ易シ 〜「丸」5月号より〜
f0110045_18343856.jpg
雑誌「丸」5月号に掲載された、国産次世代戦闘機の構想図です。今回も文章を4ページも頂いてしまったので、妄想企画ながら日本の防空について思いを巡らせてみました。タイトルは本文からの引用です。
個人的にステルス、といういわば旬の技術に、日本はどこまで乗っかるのかという疑問がずっとあったので、まずそこを掘り下げる事から始めました。隠密行動が前提のステルス機はその性格上あらゆる機能を一人で背負い込んで飛ばなければならない、つまりは重複した機能を自ずと持たされて設計されているという事になります。飛行機は今やあらゆる物を内包し、複雑化してしまった故にその開発費も膨大なものになってしまいました。これ、専守防衛の日本に必用なんですか?という事です。
ステルスはレーダーサイト総出でジャミングでもかけてくれれば良いかもしれない。撃つか撃たないか分からない中長距離ミサイルは洋上にデータリンクしたコンテナ艦でも浮かべておけば良いかもしれない。と、機体に抱え込む要素を1つずつ削って行く事で、日本らしいクレバーな軽戦が出来るのではないかと考えた訳です。最後の砦、コクピット。。。済みません削れませんでした(笑)
そのかわりバブルキャノピーは廃止、ディスプレイ内蔵のヘルメットは必須です。その他にもターボファンエンジンの非燃焼ガスを尾翼に当てる等、空力のアクティブなコントロールを前提にしています。

余談ですが本文中、「何故日本ではiPhoneが造れなかったのか?」という話に触れています。興味のある方はバックナンバーを手に取ってみて下さい!
[PR]
by koike_terumasa | 2011-05-22 19:19 | 飛行機
『第6世代戦闘機』〜「丸」2010年12月号
f0110045_20134458.jpg
前回のスペースプレーンと前後しますが、昨年12月号の「丸」誌上に掲載された、空自の将来戦闘機の予想図です。F-2が退役を迎える20年後に実用化を目指す「i3FIGHTER」(アイ・スリー・ファイター)と呼ばれる機体のイメージ。以前J-WING誌で「美雷」というF-Xのデザイン画を描きましたが、今回の機体は防衛省が説明文の中で提示しているイメージ画を元に描いているので、形状や構成は私のオリジナルという訳ではありません。元の絵はややもったりとした印象で、メリハリに欠けるので、機体上面のエンジン流路形状をシャープに、独自の形状にしています。しかし20年って...(笑)。天文の仕事で長い時間の単位には慣れていたはずですが、工業製品の20年はやっぱり長いです。
[PR]
by koike_terumasa | 2011-03-07 20:33 | 飛行機
「国産宇宙往還機」-PDエアロスペース
f0110045_0374035.jpg
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
今日紹介するのは、大晦日を跨いで2年越しで描いた作品、事実上の描き初めになる絵です。1月11日発売の週刊朝日「2011年宇宙の旅」に掲載されました。

国産スペースシャトル、と聞くと昔から構想はあるものの、なかなか実現しない乗り物の一つですが、そんな中、日本で唯一研究を進めている会社が名古屋のPDエアロスペースさんです。学研の「日本の宇宙開発」という本でその存在を知り、デザイン協力をさせて頂くに至りました。PDさんの構想のすごいところは中部国際空港を宇宙港として使用することを想定した独自の運行にあり、飛行機との混合使用というその性格上、上空待機を必須性能としているところです。洋の東西を見てもエンジンの再点火を前提とした宇宙往還機は例がなく、皆一発勝負の着陸を試みている事からすると安全性は増す反面、非常にハードルの高い機体開発となります。ジェットとロケットという性格の異なるエンジンを搭載しなければならない宇宙機のジレンマに、同じエンジン、同じ燃料を使い宇宙用に酸化剤のみ持って行くといった回答を出したPDさんのアイディアはコロンブスの卵的で且つ乗客にとっても理想的です。
発射母機やブースターを使用しない単一機体の水平離着陸というこの一見普通の運用を、現状では世界中の開発機関が断念している訳ですが、乗客からすればこれが理想的であり、遅かれ早かれそうなるのは物造りの当然の流れです。前述の通りそれを実現するには非常に高いハードルがあるのもまた事実ですが、真剣に開発されている方が日本にいて、しかも実現の時期設定が非常にタイト、というその姿勢と行動力には正直驚きました。微力ながら協力させて下さいと門を叩いたのも当然の流れです。

新年早々夢のあるお仕事をさせて頂きました。今年の活動は宇宙が軸足になりそうです。
[PR]
by koike_terumasa | 2011-01-14 01:44 | 飛行機
RF-0 [ZEKE]飛翔図
f0110045_9511185.jpg
「丸」8月別冊 零式艦上戦闘機 不滅のつばさ(潮書房)より。
誌面にて、「平成のゼロ戦」という企画を頂きました。「丸」の零戦特集は絵を描く上で貴重な資料として度々参考にさせて頂いた本なので、こうして関わる事ができて光栄です。更に今回の企画が、零戦の絵じゃないという(笑)、なかなか変わった内容です。国民総妄想時代の到来でしょうか。
航空雑誌にデザインスケッチを載せる事も4ページものコンセプト文を載せる事も初の試みだと思いますが、興味が湧いた方は書店にて手に取ってみて下さい。巻末のペーパークラフトもオススメです。

企画を頂いて最初に編集部に持ち込んだスケッチは2種類、涙滴キャノピー版零戦ともいうべき保守案と、まるっきり新デザインのアドバンス案。前者は零戦に見えるけど今造る意味が薄い、後者は技術的には理に適ってるけど零戦として受け入れてもらえるか微妙。悩んだ末にアドバンス案を採用という大英断で、こちらの形状になりました。イメージ的にはグライダーですね、低燃費は今の時代外せない要件。細身で、高アスペクト比の翼、でもなんとなく零戦っぽいという、なかなかハードルの高い内容です。機能面でも零戦のDNAを引き継げないかと考え、推力式排気管と境界層制御のアイディアを盛り込んでいます。
しかし後ろの機体、ASM-3吊ってるんだけどコレで飛べるかなー(笑)
[PR]
by koike_terumasa | 2010-07-10 10:27 | 飛行機
机が空母状態
f0110045_1621524.jpg
現在、ある仕事でペーパークラフトを開発中です。最初はまあちょっとしたオマケといった感じだったのですが、造り込みはじめると中々止まらず、良く飛び、且つ誰にでも作り易く、などと考えながら改良を重ねるうちに机の上には試作品の山。空母の甲板のような状態になってしまいました。
因に手前にある先尾翼の機体は、以前トイラジコンをバラして載せかえようと思い設計した機体の縮小版ですが、非常に良く飛びます。機首に積むオモリも少なくて済み、軽い機体がすーっと飛んで行く姿は見ていて気持ちが良いので、そのうちこれもちゃんと仕立てようと思っています。

実はこのペーパークラフトは特典で、メインの仕事はカラーの見開き絵。発売が近づいたら、またあらためて報告します!
[PR]
by koike_terumasa | 2010-04-02 16:24 | 飛行機
F-35空母運用図
f0110045_20265566.jpg
Jウイング3月号掲載の、F-35の空母運用イメージです。
F-35の特集で、この絵を含む3枚を描きました。これまであまり真剣に見ていなかった機体なので、いざ描いてみると色んな表情が見て取れます。一番気になるのは両脇の空気取り入れ口の形状で、メーカーによると「ダイバーターレス・インレット」と言うようですが、境界層ダイバーターがありません。これは取り入れ口機体側表面の突起が秘密のようです。亜音速域がメインの機体という事もあり、あまり高速時の事を考えていないのかも知れませんね。
 F-Xの記事の時に「F-35が空自に導入されたら嫌だな」という内容の事を書きましたが、今回はその空自仕様の機体も描く事になり、松島湾上空を飛行する日の丸付き、海洋迷彩(!)で仕上げました。これを描く日が来るとは、と少し複雑でしたが、絵にするに当たり鬼っ子F-35の色んな表情を見る事が出来たのは良い経験でした。
[PR]
by koike_terumasa | 2010-02-06 20:56 | 飛行機
PAKFA
f0110045_2021846.jpg
Jウイング2月号(イカロス出版)より、ロシアの次世代戦闘機「PAKFA」の想像図です。
依頼を受けた時、まずコレ何て読むんですか?というところから調べ始めた訳ですが、どうも機体の名称ではなく、次世代防衛計画のプラン名のようです。実際に描く段階になって資料を見ても、形状もディテールも辻褄の合ったものは少なく非常ーに想像力を要しました。そもそも、次世代戦闘機の必須項目である(と言われる)、ステルスという概念に対しての具体的なアプローチがロシアとアメリカでは違うはずで、ロシアが米軍機そのままの文法で飛行機を造るとは限らない筈です。そう思ってネット上に氾濫するPAKFA の完成予想図を見れば、あまりステルスっぽくないキャノピーもレーダーに捕まりそうなパネルラインも全て笑って許せてしまうような気になってきます(笑)。
全体にずんぐりしているこの機体のちょっと目を引くポイントは、エンジンのエアインテークの位置が結構後ろにあって、角度によっては首が長く見える事。ストレーキとエアインテークが同じ位置にあるF-22との決定的な違いであると同時に、フランカーシリーズとの共通点を見付けてほんの少し嬉しくなりました。
今年中の初飛行は無理なようですが、最終的にどんな形状に落ち着くのか、早く見てみたいものです。それにしてもこのスプリッター迷彩、誰が考えたんでしょう?
[PR]
by koike_terumasa | 2009-12-28 20:29 | 飛行機
美雷 [Multirole fighter,Including Low altitude Attack and Intercept]
f0110045_16444810.jpg
Jウイング7月号(イカロス出版)より、F-3「MILAI」です。
次期主力戦闘機を自国開発したら?というスタディー。名前は「未来の飛行機だから...」というシャレですが、和風の語感だけでなくちゃんと意味のあるものが良いと思い英語表記も考えました。こういうの好きなんです(笑/JAXAのHALCAとか)。機体の説明は誌面に書いた通りなので、ここではもう少しデザイン寄りの話を。
 まず最初に、スタディーとはいえどこまでやるかですが、これは「次期」という縛りがあるので、出発点は防衛省の「心神」をベースに考えました。単座、双発、3次元スラストベクター、ステルス性能などが要求される内容です。まず全体のプロポーションですが、心神のエアインテークからファンブレードまで、この辺りはステルス性能の為だと思いますが、流路をねじ曲げた形状が前傾姿勢で中々カッコイイので踏襲しました。更に主翼面積を大型化、その際にもインテーク上面の衝撃波発生板、主翼、尾翼の角度を揃えてステルス性能に配慮しています。(本当のところは分かりませんが...)
機体制御技術も進歩している訳ですし、SFでお約束の尾翼が沢山というのは抵抗が増すだけなのでナシです。今回はスラストベクターが前提なのでむしろ尾翼は小さくしています。F-15の後継という事で双発ですが、実は単発で良いのではないか、という考えも非常に魅力的でした。当然双発なら相応の燃料も喰う訳ですし、そこは日本人らしくクレバーな飛行機を造ったほうが良いのでしょうね。F-2も単発ですし、機会があったらそちらのデザインも発表したいと思います。
 でも正直なところ、気持ちとしては色々と揉めた末にF-35導入されたら嫌だなーというのが一番大きかったです(笑)。もちろん専守防衛の日本で運用しても、間違いなく性能は一級品でしょう。ただロシアが売りまくったスホーイシリーズ飛んで来たらあの形でホントに勝てるのかなと心配になってしまうのは、モノの形を生業にしている者の悪い癖なのでしょうか?
F-3という機体、人それぞれに思うところはあるでしょう。自国開発という響きの中には驚くほどの困難が待ち受けているのも事実です。今回はまず話のネタに、という事で富士山を背景に大見得を切って描いてみましたが、将来の日本の空をどうするのか、何らかの問題提起になればと思っています。

因に、今回誌面用に引いた図面を切り抜いて紙飛行機にすると、驚くほど良く飛びます。戦闘機としてはこんなに安定していて良いの?と思ってしまう程ですが、まあ飛ばないよりは良いでしょう。 という事は、スラストベクターとフライバイライト技術はバランスを壊す為に必用、という事になるのかもしれません。
[PR]
by koike_terumasa | 2009-05-21 17:11 | 飛行機