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In the Mars
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「アジアデジタルアート大賞2008」に、『The tower of BABEL』と共に出展した作品です。結果『BABEL』のほうが賞を取り、こちらはあまり公開する機会がなかったのでご紹介。
この作品は、人類が火星に送り込む最初の人型探査機をイメージして描きました。二足歩行だったらもっと面白いんでしょうけどね。そういう意味ではちょっと保守的かもしれません。元々何故この絵を描こうと思ったかというと、火星探査機からの画像をまとめた、ランダムハウス講談社「火星からのメッセージ」というフルカラー版の写真集を見て感動したからなんです。人が存在しない惑星で撮影された荒涼とした風景と、部分的に写り込む探査機自身の人工物らしい映像のコントラストにすっかり魅了されてしまいました。人の気配を微塵も感じられない遠い大地で活動する探査機。無機的な形状、機能一辺倒で造られたはずの「スピリット」、「オポチュニティー」のなんと愛らしい事か。
人がどれだけ感情を入れずに設計しても、それはまぎれもない人工物で、言い方を変えればそこにはやはり血がかよっているんだなと実感する内容でした。物造りの観点から見るも良し。人類の新天地候補として夢を膨らませて見るも良しの良本です。
 因にこの写真集の中で探査機が自分のタイヤ跡を振り返った写真があるのですが、それが東山魁夷作「道」のように見えて、「人の存在しないところにも芸術は芽吹くのかもしれない」、と最近思い始めているところです。
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by koike_terumasa | 2009-09-17 20:53 | ロボット