カテゴリ:飛行機( 18 )
『零式艦上戦闘機21型』〜「ゼロ戦の秘密」より〜
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「ゼロ戦の秘密/PHP文庫」より、誌面では飛ばしてあった背景入りの絵です。
零戦の中で一番好きな機体なのですが、その理由はフルサイズ12メートルの主翼から来る伸びやかさだったり、ライトグレーの機体色の爽やかさだったりと様々です。機体色は諸説あるようなのですが、まあひとまず「白い零戦」が好きだなあと思ってしまう訳です。ただ直感的に感じるのは、スピード、旋回性、航続距離など様々な要求に対して高次元な回答を出した初期の形状というのは、やはり完成されているなという事。設計者の堀越技師はカウル下の気化器インテークすら不満だったという話ですが、その後の形状変更の長い変遷を思うと、結果的に初期の構想にかなり近い機体であろう事は間違いありません。最も、52型で排気管の形状を変更してエンジンを換えずに速度を増やしてしまうといった、日本人らしい奇策(苦肉の作?)も零戦の魅力の一つではありますね。
 ところで、今回の仕事を受けた時に、坂井三郎氏の「大空のサムライ」を読み返しました。もし読んだ事の無い方は、最後の「〜あとがきに代えて申し述べたき事〜」だけでも読んでみて下さい、きっと人生を豊かなものにしてくれると思います。
久々にこの本を読んで、「やっぱり21型は坂井機を描きたい」と思ったのですが、図鑑的要素も強いこの本に、使えないからと通信用アンテナをノコギリで切った(!)機体を載せるのもどうかと思い、考え直して真珠湾出撃時の機体にしました。参考にしたのはファインモールド製、空母瑞鶴艦載機です。やっぱりプラモデル?と笑われそうですが。。。
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by koike_terumasa | 2009-03-20 19:19 | 飛行機
スカイ・クロラ!
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森博嗣先生著 『スカイ・クロラ』の映画版がいよいよ8月2日に公開となります。映画化決定のニュースを聞いてから、ファンとして早く見たいという気持ちと、ああ、他の人のデザインで散香が飛んでしまうんだなあという寂しさの入り交じった複雑な気持ちでこの日を待っていました。そして公式サイトにて予告編を見ると、そこには抜けるような青空を飛び交う散香と翠芽が映し出されていました。「なるほど、散香は原作の挿絵に近いな」とか、「翠芽はこうなったのかー」とか、「良い音してるなー」とか、興味津々です。
で、大人げないと思いつつも、今回UPする画像は、以前私がデザインした「散香」、そして初登場の「翠芽」です。プッシャー式の散香に比べて、トラクタ式の翠芽はオーソドックスな形になりがちですが、原作中に出て来る空冷という表記、21気筒という7の倍数の表記を考慮して星形3列(!)の超ロングンーズレイアウトとしました。3列目シリンダー、冷えなさそーですが。プロポーションは現用機のスピードレーサーのイメージで、散香同様光学ディスプレイと涙滴キャノピーが装備されています。スカイクロラという話、読んでみると空中戦に関しては非常に古式ゆかしい印象を受けるんですね、ちょっと第一次大戦のような。そういう意味でも、スピードレーサー的というか、あまり戦闘的でないイメージで描いてみたくなったのです。プロペラ軸内砲は星形エンジンの構造上採用しませんでしたが、映画版ではエンジンは液冷式となり、2重反転プロペラの中心から機関砲弾が出ていました。やはり映像映えしますねー。
そんな訳で、映画の発表に合わせてオリジナルの散香と翠芽のお披露目でした。
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by koike_terumasa | 2008-05-22 03:15 | 飛行機
散香Mk-B
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森博嗣先生著、「スカイクロラ」シリーズに登場するプッシャー式エンテ(先尾翼)戦闘機「散香」シリーズの新型機という発想で描いたオリジナル戦闘機。架空のストーリーに触発されて筆を取った初めての機体。
ストーリー中ではジェット機の概念は試験中、エンジンはレシプロ、でも経済社会は発達していて戦争という行為は企業が代行して運営しているというパラレルワールドな世界。プロペラ機とはいえ、次のステップとして高速化の波はそれなりに押し寄せてくるだろう事は考慮し、エンジンのインテークに境界層ダイバーターがあったり、コクピットは光学ディスプレイ化されていたりと、技術的には60〜70年代の記号性を織り込んで現代とは微妙にムラのある世界観を演出している。
因にこの機体の年賀用イノシシバリエーションが、日記のほうに載ってますのでそちらもご覧下さい。
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by koike_terumasa | 2007-01-06 00:58 | 飛行機
前進翼スタディー
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前進翼と無尾翼を組み合わせた飛行機のスタディー。翼端失速時に機首下げとなる前進翼機の特性と、無尾翼による空気抵抗の低減の双方メリットを持ち合わせ、その独自の機体特性を機上コンピューターとバイワイヤーでコントロールする。長いテールスタビライザー内のリキッドを血液のように移動させる事により、飛行中に自由な重心移動が可能。失速時、舵面が風を噛んでいない時にも有効なこうした姿勢制御は次世代航空機の大きな課題の一つとなる。
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by koike_terumasa | 2006-11-08 16:20 | 飛行機
無尾翼スタディー
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飛行機は浮上し続ける為の安定性、自在な運動性能を得る為の不安定性を同時に合わせ持つ必要がある。姿勢を維持し、制御するには尾翼の存在が不可欠だが、時にその尾翼が空気抵抗を増加させ、肝心な運動エネルギーの損失に繋がる事もある。この堂々巡りを断ち切るために生まれた概念の一つが「無尾翼」という考え方で、これまで当たり前に存在した水平尾翼、垂直尾翼のペアを減らそうというもの。本スタディーは回遊魚のマグロが収納式のヒレを持つように、垂直尾翼を収納式として空気抵抗を減らし、必要な時のみ展開して姿勢を安定させようというコンセプト。ただし斜めに取り付けたベントラルフィンが姿勢制御のほとんどを担ってしまうので、垂直尾翼は速度の遅い離着陸時、もしくはエアブレーキとしてランダムに展開する。機体と人間の間に機上コンピューターが介在する現代の飛行機ならば、パイロットが意識する事なくこうしたランダムな尾翼の展開が可能で、更には限られた尾翼とエンジンコントロールで姿勢を制御する事ができる。
(昔は未来の飛行機、というと尾翼が沢山ついていたのがちょっと懐かしいですね)
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by koike_terumasa | 2006-11-08 16:09 | 飛行機
次世代セスナ「OCARINA」
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4人乗りの小型機でセスナのような自家用機をイメージした機体。キャビンを上下二層にする事でコンパクト化と構造のシンプル化、居住性の向上を狙う。アッパーデッキはエンジンと反転プロペラのギアシステム、水平尾翼のコントロール系など操作系のほぼ全てを内蔵し、ロアデッキには客室と主翼のみで、グライダーのようなシンプルなキャビンとなる。ヨーイングをコントロールするラダーは地上/空中共にノーズギア(前輪)が兼ねるシンプル構造。大きめのウイングレットにエラストマー処理されたトリムが存在し、ここでも直進方向の安定性を制御する。
プロペラを天井の上に上げてしまう事で騒音の減少や安全性の確保、コンパクト化など様々な利点が生まれる。
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by koike_terumasa | 2006-11-08 15:46 | 飛行機
環境親和型エアタクシー「Kite」
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5〜6人乗りの短距離用エアタクシー。高アスペクト比の主翼と先尾翼の組み合わせで低燃費、低環境負荷の飛行が可能。ターボプロップエンジン一基で飛行し、客室とエンジンの間にコクピットと隔壁がある静音設計。客室を最大限生かす為、先尾翼の桁を胴体下に逃がす独自のスタイル。
鉄道のロマンスカーのように客室前部は展望ラウンジとなっており、今までパイロットにしか見れなかった景色を乗客に提供。対してコクピットは涙滴キャノピー、低与圧式の簡潔なもので、搭乗時に酸素マスクを付けたパイロットが乗客に敬礼する等、飛行機マニア心をくすぐるパフォーマンスも期待できる。
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by koike_terumasa | 2006-11-08 15:38 | 飛行機
1.5発ジェット「SORA」
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東北大学流体科学研究所 小濱泰昭教授の提唱する次世代低燃費ジェット。1.5発ジェットとは低燃費ターボファンエンジン一基で飛行できる様設計した軽量、高効率ボディーに、フェイルセーフ用のサブエンジンを一基組み合わせた環境親和型の機体。"SORA"はその概念をベースに更に機体の空力性能を上げ、魅力的な国産ジェットに仕上げるべくスタイリングを試みたスタディー。環状翼は翼端からの誘導抵抗を効率良く低減できるだけでなく、形状として閉じている為高い剛性を持つ。その為今まで形状保持に必要だった補強材重量を軽減でき、更なる低燃費化を計る事ができる。
複合材技術を生かした高効率で自由な形状が、これからの航空機の主流となるだろう。
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by koike_terumasa | 2006-11-08 15:16 | 飛行機